【中学受験】神奈川の女子御三家とは？特徴・入試結果・大学実績を徹底比較

神奈川県の女子御三家ってどんな学校？
入試結果や大学進学状況についても気になるから教えて！

そんな疑問にお答えします！

中学受験を始めたら、必ず耳に入ってくる「御三家」という言葉。

今回は、東京に次いで中学受験が盛んな神奈川の「女子御三家」について解説していきます。

本記事では、

✅ 神奈川の女子御三家とは
✅ 神奈川の女子御三家の校風・概要
✅ 神奈川の女子御三家の入試情報
✅ 神奈川の女子御三家の大学合格実績

といった内容をじっくりザックリ解説していきます。

なお、東京の女子御三家についてはこちらの記事でご覧いただけます。
▶︎【中学受験】東京の女子御三家とは？特徴・校風・入試結果・大学実績を徹底比較

誰もが憧れる人気校ですので、まだ御三家のことをあまり知らない方も、すでに御三家を狙っている方も、最後まで読んでぜひ参考にしてくださいね。

それでは行きましょう！

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神奈川の女子御三家とは

中学受験における御三家とは、簡単にいうと人気も実力も最高峰の私立中学トップ三校のこと。

神奈川の女子校では、

• フェリス女学院中学校・高等学校
• 横浜雙葉中学校高等学校
• 横浜共立学園中学校高等学校

の三校を指しています。

いわゆる「御三家」は東大合格者数が選定基準というのが定説なのですが、この3校の場合、1800年代にクリスチャンが恵まれない環境の子供たちを救うために作った施設が起源となっていて、その歴史から育まれた教育理念や伝統、そしてこの横浜山手という独特な立地・環境、そういった要素が御三家たる理由となっているのかなと思います。

瀟洒な街並みが残る横浜山手エリア

3校ともJR京浜東北線「石川町駅」から徒歩圏内で、同じ山手町に立地するご近所校。

横浜御三家、山手御三家なんて呼ばれることもあります。

港の見える丘公園や横浜山手西洋館にもほど近く、お洒落な環境ですよね。

ミッションスクール独特の雰囲気もあって、お嬢様的なイメージが強く、子供はもちろん親世代の人気が高い3校です。

大学附属校や共学校の人気が高まる中、志願者数も徐々に減少してはいるものの、伝統校として根強い人気が続いています。

フェリスの一強時代から洗足学園の台頭へ

神奈川の私立女子校のトップと言えば、長らくフェリスが君臨してきました。

中学受験をしない人でも知っているくらい、フェリスの名は有名ですよね。

偏差値でも、大学合格実績でも、ずっとナンバーワンでした。

例えば2010年の日能研R4偏差値だと、

日能研R4偏差値〈2010〉

• フェリス…64
• 洗足…59、60（2回目）
• 横浜雙葉…58
• 横浜共立…57、64（2回目）

と、頭ひとつ抜けています。

洗足学園はさらに昔はまだ新設校で雙葉や共立にも及ばない存在でしたが、この頃には上記のように三つ巴となり、そして2022年度結果偏差値だと、

日能研R4偏差値〈2022〉

• フェリス…62
• 洗足…65、66（2回目）
• 横浜雙葉…51
• 横浜共立…51、61（2回目）

となり、洗足学園が女子校としては首位を獲得し、その勢いは東京の御三家にも届きそうなほど。

大学進学面でもフェリスを上回る結果を出しています。

逆に横浜雙葉と横浜共立はここ数年でかなり偏差値が下がりました。

前年と比べても3〜4ポイント下がり、偏差値でいうと東京御三家や神奈川男子御三家と比べるとちょっと物足りないかもしれませんね。

受験者減・偏差値低下の理由として、

• 交通網の発達・通学エリア（受験可能エリア）拡大
  （例えば都内の学校を選べるようになった）
• 付属校や共学校の人気
• 新興勢力の増加・価値観の多様化

などが挙げられ、伝統校や女子校がやや苦戦している側面は確かにあるようです。

しかし！

人気エリアである横浜に根ざす、古くからの伝統校としてやっぱり魅力のある学校ですし、その校風が気に入って第一志望で入るご家庭が多いことでも知られています。

また、国立大学や早慶など難関私大に多数合格者を出していますから、むしろ偏差値や倍率が下がって入りやすくなってお得だ、なんていう声も。

というわけで、3校それぞれの特徴を紹介していきましょう。

フェリス女学院の校風・概要

⬆️ ストリートビューで見る聖光中学校（動かせます）

石川町駅を降りてしばらく歩くと、目前に迫る240段の石段「通称フェリス坂」。

フェリス女学院は、この長い長い石段を登った丘の上にある完全中高一貫の女子校です。

横浜山手の歴史的景観地区の一角を占め、校舎から見渡す横浜・みなとみらいの景色は最高だとか。

2022年には150周年記念事業として校門から中庭にかけての改修を実施、さらに美しく生まれ変わりました。

3つの校舎のほかに、体育館や広々としたグラウンドもあり、開放的で緑豊かなキャンパスが特徴的です。

お嬢様のイメージとは裏腹の自由闊達な校風

開国間もない明治初期に創設された、女子学院と並びキリスト教に基づく日本最古の女子校の一つ。

その校風は意外にも自由主義。

制服はありますが、髪型や通学カバン、セーター、コートは何でもOK。

進路指導においても、「もっと学力の高い大学を目指そう」「こっちの学校の方が合ってるのでは？」といった細かな指示や誘導はないそうです。

「その人の大切にしている価値観や考え方を尊重する」という考えがフェリスの根幹にあるのですね。

ただし、伸び伸びしているというのは放任とも言えますから、お子さんによって向き不向きはあるかもしれません。

なんだか、創設のルーツが近いからでしょうか、JGこと御三家の女子学院に通ずる「自由」を感じます。

プロテスタント主義に基づく情操教育

「あなたがたがこの学校を選んだのではなく、神様があなたがたを選ばれたのです」

入学式で読まれる祝辞が示すように、フェリスはキリスト教の思想を大切にしています。

新約聖書の聖句に由来する教育理念、

「For Others（他者のために）」

は、自分だけでなく他人のことを大切にして生きるという意味合い。

学業だけでなく人間性を成長させてくれることが期待できます。

信仰を強制されることはありませんが、毎日の礼拝に加え、週1回の全校での讃美歌練習など毎日なんらかの形で讃美歌に触れ、キリスト教と関連深い「聖書」「音楽」の授業は6年間必修になります。

横浜雙葉の校風・概要

⬆️ ストリートビューで見る横浜雙葉（動かせます）

「港の見える丘公園」から徒歩3分。

古き良き港町の雰囲気が漂うおしゃれなエリア。

レンガ造りの家や歴史ある建物が残る町並みを見ながら、雙葉生は毎朝学校を目指します。

石川町から通うにはフェリス坂を登る必要があり、なかなかの体力勝負。

校舎はいわゆる閑静な住宅街のど真ん中に位置し、小学、中学、高校、インターナショナルスクールまで雙葉関係の建物が並び、「雙葉ワールド」が広がっています。

治安の面では申し分のない素晴らしい環境で、さすが伝統校という感じです。

キリスト教の教えを基盤とした小中高一貫校

横浜雙葉の特徴といえば、まずは小中高の一貫教育であることが挙げられます。

横浜雙葉小から約85名、中学受験で約100名が入学。
（若干名帰国生も募集しています）

小学校からの内部進学者がいるという点が他校との大きな違いで、このあたりは姉妹校である東京御三家「雙葉（四谷）」と同じですね。

ちなみに紹介しておくと、

• 四谷雙葉
• 田園調布雙葉
• 静岡雙葉
• 福岡雙葉

など4つの姉妹校があり、海外にも系列校が存在する大きなグループです。

その中でも横浜雙葉はもっとも古い歴史を持つお姉さん的な存在。

国内のカトリック校の先駆的存在といってもよいでしょう。

公式サイトに、

横浜雙葉の教育は、すべての人間が「かけがえのない独自の価値を持った大切な存在である」と考えるところから始まります。

とあるように、カトリックの精神に根ざした、全人教育が行われています。

古風、堅実、厳しい校則

スマホ禁止、キッズケータイが配られるというちょっと古い？体質ですが、それもまた時代に流されない信条の表れでしょうか。

校則が厳しいことで知られ、

• コートやカバンはもちろん指定
• 髪の毛は肩にかかったら結ぶ
• 髪ゴムも黒紺茶色のどれか
• ヘアアクセサリーも禁止
• マフラーの色も指定
• 傘も色指定、柄付きなし

といった具合であまり自由はなく、制服も地味でおとなしい印象です。

フェリス生がカラフルなセーターを着ているのとは対照的ですね。

これを「自由がない」「息苦しい」と感じるか、「そういう自由を求めてない」「別に派手さはなくていい」と共感するか。

好みが分かれるところでしょうね。

腰を据えて真面目に勉強したいというご家庭には向いているように思います。

目標を持ってコツコツ努力するにはぴったりの環境で、医学部を志す生徒も多いのも頷けます。

部活が活発であるという評判はあまり聞きませんが、校内行事に全力投球する生徒が多く、雙葉祭（学園祭）は毎年盛り上がりますし、球技大会や運動会も白熱します。

関西や九州方面への宿泊行事のほか、

• オーストラリア研修
• 米国研修
• 韓国スタディツアー
• シンガポールスタディツアー
• マレーシアスタディツアー

など幅広く世界に目を向けることができるチャンスがたくさん用意されています。

横浜共立学園の校風・概要

⬆️ ストリートビューで見る横浜共立学園（動かせます）

通う生徒から「横共(よこきょう)」と呼ばれる横浜共立学園は、高校からの募集がない完全中高一貫校。

他の2校と同様に横浜山手の一角に所在し、本館として使われている洋館は横浜市の重要文化財に指定されています。

レトロで美しい校舎は独特な味わいがあり、えんじ色の襟が特徴的な冬のセーラー服や爽やかな盛夏服も人気です。

御三家の中でも中庸的な立ち位置の進学校

フェリスは古くから自由を標榜する超進学校として有名。

横浜雙葉はセレブな良家の子女に好まれるブランド校。

横浜共立はというと、神奈川女子御三家の中では良い意味で普通といいますか、幅広い層が集まる中庸的な存在です。

偏差値的にはフェリスの方が上ですが、横浜共立も生徒の多くが難関大学に進学しますし、雙葉のように約半数が小学校からの内進者というお嬢様学校ではありませんが、スカートの丈や髪型まで比較的厳しく躾が行われることで知られています。

なんにせよ、神奈川を代表する伝統校であることには間違いなく、キリスト教の教えに基づく「隣人愛」を柱とした教育が実践されています。

その精神は、

心を尽くし、精神を尽くし、力を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい、また、隣人を自分のように愛しなさい

という聖句に表されていおり、毎朝全校生徒による礼拝が行われるほか、週1時間の聖書の授業が設けられています。

ボランティア活動も盛んで、昭和22年から続くハンセン病の患者さんとの交流など、生徒による自主的な支援活動が行われています。

なお、宗教上の方針で日曜日の部活動がされないため、運動部でも大会に出場することはありません。

その点に不満を感じるといった口コミも見受けられたので、部活をバリバリやって対外試合などを行いたいとお考えの方はよくよく検討してくださいね。

御三家で唯一、複数回受験が可能

次に、入試の要件が特徴的なので触れておきます。

フェリス、横浜雙葉が2月1日の1回入試なのに対して、横浜共立だけが2回の受験チャンスがあります。

☑️ A方式：2月1日　募集人員150人　4科目
☑️ B方式：2月3日　募集人員 30人　2科目

フェリスや雙葉との併願が可能ですし、もちろん他の学校との併願もできます。

上記のような入試日程なので、フェリスや横浜雙葉とも併願ができますし、もちろん他校とも併願できます。

2月1日にどこを受けるか、戦略立てが必要ですね。

ただし上記の通り2回目は募集人員が少ない上に、狙う人が多いため倍率がグッと上がります。

2月1日に難関校を受験した残念組が集まるので偏差値も上がり、1回目と比べて非常に難度の高い受験となるので注意してくださいね。

また、1回目入試は「国算社理」すべてが100点満点という珍しい配点なので、社会や理科の対策が必須です。

ここから先は、種々のデータをまとめて比較できるようにご紹介していきます。

神奈川の女子御三家の入試情報

フェリス女学院の入試情報・結果

✔ 入試日：2月1日（定員180名）

✔ 試験科目（配点／4科目＋面接）
・国語（100点：50分）
・算数（100点：50分）
・理科（60点：30分）
・社会（60点：30分）
・2024年度〜面接実施せず

✔ 入試結果

年度	受験者数	合格者数	実質倍率
2024	415名	205名	2.0倍
2023	432名	200名	2.2倍
2022	435名	200名	2.2倍
2021	414名	200名	2.1倍
2020	384名	195名	2.0倍
2019	420名	200名	2.1倍

横浜雙葉の入試情報・結果

✔ 入試日

2024年度入試から複数回入試になりました

・1期／2月1日（定員60名）
・2期／2月2日（定員30名）

✔ 試験科目（配点／4科目＋面接）
・国語（100点：50分）
・算数（100点：50分）
・理科（80点：40分）
・社会（80点：40分）
・2024年度入試から面接なし

✔ 入試結果

年度	受験者数	合格者数	実質倍率
2024〈2期〉	179名	72名	2.5倍
2024〈1期〉	178名	75名	2.4倍
2023	168名	101名	1.7倍
2022	173名	105名	1.6倍
2021	159名	100名	1.6倍
2020	166名	108名	1.5倍
2019	201名	99名	2.0倍

横浜共立学園の入試情報・結果

✔ 入試日
・A方式／2月1日（定員150名）
・B方式／2月3日（定員30名）

✔ A方式／試験科目（配点／4科目＋面接）
・国語（100点：45分）
・算数（100点：45分）
・理科（100点：40分）
・社会（100点：40分）
・2025年度より面接なし

✔ B方式／試験科目（配点／2科目＋面接）
・国語（100点：50分）
・算数（100点：50分）
・2025年度より面接なし

✔ 入試結果（A方式）

年度	受験者数	合格者数	実質倍率
2024	224名	167名	1.3倍
2023	215名	168名	1.3倍
2022	247名	176名	1.4倍
2021	318名	173名	1.8倍
2020	329名	178名	1.8倍
2019	294名	184名	1.6倍

✔ 入試結果（B方式）

年度	受験者数	合格者数	実質倍率
2024	177名	90名	2.0倍
2023	161名	98名	1.6倍
2022	212名	79名	2.7倍
2021	228名	77名	3.0倍
2020	216名	69名	3.1倍
2019	299名	55名	5.4倍

神奈川の女子御三家の大学合格実績

ここでは国立大学の最高カテゴリーである「東京一工」への合格者数を取り上げます。

東京一工とは、

の4つの難関大学のことを表します。

フェリス女学院の「東京一工」合格者数 

年度	東大	京大	一橋大	東工大	合計
2024	6名	4名	4名	5名	19名
2023	9名	4名	1名	4名	18名
2022	10名	1名	6名	5名	22名
2021	8名	5名	3名	3名	19名
2020	8名	2名	11名	3名	24名
2019	7名	3名	11名	5名	26名

 

※合格者数は現役・浪人の合計

横浜雙葉の「東京一工」合格者数

年度	東大	京大	一橋大	東工大	合計
2024	2名	0名	2名	1名	5名
2023	2名	0名	2名	0名	4名
2022	4名	0名	5名	0名	9名
2021	10名	1名	3名	0名	14名
2020	2名	0名	1名	1名	4名
2019	3名	0名	2名	0名	5名

※合格者数は現役・浪人の合計

横浜共立学園の「東京一工」合格者数

年度	東大	京大	一橋大	東工大	合計
2024	1名	0名	1名	2名	4名
2023	2名	0名	1名	1名	4名
2022	0名	1名	1名	0名	2名
2021	0名	1名	2名	0名	3名
2020	1名	0名	1名	1名	3名
2019	2名	2名	4名	3名	11名

※合格者数は現役・浪人の合計

神奈川の女子御三家の東大合格率は？

卒業生の中に東大合格者が占める割合を比べてみましょう。

フェリス女学院の東大合格率

年度	卒業生数	合格者数	合格率
2024	177名	6 (5)名	3 (3)%
2023	180名	9 (8)名	5 (4)%
2022	180名	10 (10)名	6 (6)%
2021	182名	8 (6)名	4 (3)%
2020	174名	8 (8)名	5 (5)%
2019	180名	7 (5)名	4 (3)%

※（　）内は現役
※卒業生数は一部推定

横浜雙葉の東大合格率

年度	卒業生数	合格者数	合格率
2024	176名	2 (2)名	1 (1)%
2023	177名	2 (1)名	1 (0)%
2022	176名	4 (3)名	2 (2)%
2021	182名	10 (7)名	5 (4)%
2020	180名	2 (0)名	1 (0)%
2019	184名	3 (3)名	2 (2)%

※（　）内は現役

横浜共立学園の東大合格率

年度	卒業生数	合格者数	合格率
2024	174名	1名	1%
2023	178名	2 (1)名	1 (1)%
2022	175名	0名	0%
2021	181名	0名	0%
2020	175名	1 (1)名	1 (1)%
2019	180名	2 (1)名	1 (1)%

※（　）内は現役

ちなみに何かと比較されがちな洗足学園ですが、近年ますます調子を上げており、

洗足学園 2023年度実績

東大合格者数：22名（現役19名）
東大合格率：9.6%（卒業生229名）

洗足学園 2024年度実績

東大合格者数：15名（現役14名）
東大合格率：6.3%（卒業生238名）

となっており、フェリスを上回る数字を出しています。

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まとめ

神奈川の女子御三家について、その校風や入試情報、国立大学への進学実績について解説しました。

真新しいものの良さもありますが、伝統校の良さにもっと注目が集まるといいですね。

他県の御三家については、こちらの記事をご覧ください。

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それでは、皆様の参考になれば幸いでございます。

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